あたりまえだということが

今日は仕事で移動が多く、久しぶりにあっちの工場建屋、こっちの工場建屋と移動していた。あまり歩いたのでいつも会社で4000歩いくかどうかのところ1万歩歩いていたようだ。懐かしい。パートでここに入った時はいつも工場間を走り回っていたので、定期でものを運んで来る運送会社のおっちゃんにいつも色んな工場に出没する人、という事で顔を覚えられてしまい、話しかけられる事も多かったのだ。

 

正社員になってからは行く工場も減り、去年からはクソ&クソのつまらない仕事になったのでほとんど事務所から移動しなくなった。久しぶりに遠くの工場まで歩いてフンフン気分良く歩いていたら、工場から黒い作業着のおっちゃんが出てきた。黒い作業着だ。良きかな。私は少し制服フェチなところがある上に黒い制服、作業服が大好きである。綾野剛に黒いスーツを目の前で着られた日にゃあ、綾野剛を監禁してしまうのではないか、犯罪を犯さないではいられないのではないかと恐れている。そう考えると今目の前で黒い作業着を来ているのが、ただの運送会社のおっちゃんで良かった。

 

などと考えていたらそのおっちゃんが急に話しかけてきた。違ってたらすまないけど、あなた〇〇団地の人じゃない?僕はその隣の団地でね、よく外で見かける人に似てるな、って思って。よくあなた山に行ってるでしょ?と言われた。行ってますとも。ええ。ヨレヨレのジャージと元を取りすぎたワークマンの上着でね。あの姿を見られていたのかー!!っていうかご近所さんかー!!っと一気に恥ずかしくなる。

 

そうです。よく山運動の為に行ってます。というと、僕もたまに行くからね、また会うかもね。とニッコリおっしゃるので、ヨレヨレの姿をお見せして恥ずかしいですけど、また会ったらよろしくです、と言って去っておいた。

 

やっぱりそうとは思っていたけど、団地をヨレヨレの服、デカイ双眼鏡、木の棒持参、そしでデカイ女、というのはある程度目立つのかもしれない。それこそ田舎のスッカスカの人口密度ではな。私なんて他人の顔が覚えられないので、同じ人が少し違う服着ただけでもう同一人物と認識できないのに、今日会社の制服を着ていた私を団地の山登り人物と特定出来るとは、大した観察眼の人なのか、私の異質ぽさが目立つのかどちらであろう。前者であって欲しい。

 

私は私が行動する時他人の目を一切気にせず楽しんでいる。そんなにのびのび出来るのは、人なんて他人の事なんてどうでもいいから見てない、と思っているのだ。自分がそうなので。でも意外と見られているのか。これが壁に耳あり障子に目あり、という事か。下手な事は出来ぬな。でも探検が好きで団地周辺の川や田んぼや山をウロウロしまくっているから壁や障子でもなくても、そら私でもそんな子供みたいに行動する落ち着きないやつはすぐ覚えるな、と納得。

 

でも逆に私は不思議だ。みんななんでそんなに自然や生き物や石や木や景色や音や色に興味がないのであろう。自然がいっぱいのところ探検すると楽しいのになあ。これはあれだ、金子みすゞの詩のお気持ちと一緒であるな。あたりまえだということが、のな。