良き日佳き人

西穂高岳に登山してきたが、初めての岩場でルートファインディングが下手すぎで後ろのおじちゃんに、あなた初めて?と聞かれて、はい!初めてです!と元気よく答えたら、そうだと思った、と笑われてしまった。でもいいおっちゃんでとうとう頂上に着いた時は、おめでとう、と仰ってくれた。来年は奥穂から馬の背やジャンを通って西穂高岳だね、と絶対無理なことを言うので、無理に決まってますよ!一生無理です!と言っておいた。

 

おっちゃんに、西穂から奥穂もその逆も行かれた事あります?と聞いたら、若い時はね、何度も行ってる、と言うので神を見るような目で見ておいた。

 

でも、そうね。若い時は色々な山を挑戦して歳と共に体力が落ちたら落ちたでその時々の自分に合った山を登れば良いのだな。うちの裏山を趣味で整備しているおじいちゃんも若い時はヒマラヤ何かも行っちゃってるし、逆に言うとヒマラヤ登った人でも山が登れなくなったら山整備とかで山と関われるのだから、山は一生ものの趣味だな。

 

今日は登っている時に下山してくるおじいさんとおばあさんの夫婦?だと思うけど、上品な話し方で会話してて、その雰囲気がとても良かったのだ。

 

「あれが笠ヶ岳ですね」「本当ですね」ここでニッコリ2人で微笑む。私に気がついて「こんにちわ」と挨拶。その後「ヘルメットの方達ですね」「あちらは(こちらと違って)しっかり登山する人達ですね」ふふふ、とお二方微笑む。

 

いい…。良すぎ。細かすぎて伝わらないモノマネじゃないけど、シータを見て、「いい」と言ったドーラの息子になっちまったよ。

 

2人で登れる山をゆっくりのんびり景色を楽しみながら登って、たまに二言三言、言葉をかわして微笑む、何あの老夫婦は!人生色々ここまで一緒にやって来た感があって、でも2人の優しい感じのお互いへの愛情が感じられてお二方を抱きしめたくなった。いつまでもお元気で沢山のええ景色をこれからも見てくれ〜って気になったわ。でも日焼け止め塗りすぎと汗びっしょりで、汗かきの小梅太夫みたいな私に抱きしめられても困るだろうがな。

 

今日の登山は色んな人と話して面白かった。低山は人の気配がなくて大好きだけど、高山は人が多い分たまにほっこりさせてもらえるのでそれはそれで楽しいものであるな。人見知りも一瞬の一期一会的な出会いの場合は、若干態度が緩和できるのが謎ですな。まあ、一般の人見知りでは無い人たちはそこから仲良くなって登山仲間になったりするのだろうけど、そこまで仲良くならないところが人見知りたる生物の特性なんだろうけど。