修行の旅1日目

初めての山小屋泊練習の為に、双六小屋に行く事にしたのだが、地図を見ていたら、おやおや…西鎌尾根を通れば5時間で槍ヶ岳へ着けそうだ、ということで1泊2日、新穂高温泉双六岳槍ヶ岳新穂高温泉、無理そうだったら2日目はふつーに双六小屋から新穂高温泉へ下山しようという日程を組んだ。

 

新穂高温泉には夕方車を飛ばして車中泊したのだが、翌日の天気予報が昼から雷マークとなっている為怖さであまり眠れぬ。雷、無理。雷様に出会ったらどうしようと考えブルブル震える。それなら朝早く出よう、とするもこちらは熊に出会ったら怖い。雷か熊かどちらも甲乙つけ難い会いたく無ささ。考えあぐねた結果熊鈴もって朝早く出立する事にした。

 

そういう事で1日目、夜中3時半に出発。真っ暗登山道をヘッデンで照らして歩くも、ヘッデンの明かりを遮ると真っ暗&山の中の何かいそう…的な雰囲気に飲み込まれそうになる。しかし私は夜の暗闇にはさほど恐怖の無い人間なのである。まあ、あと30分もすれば明るくなるしな、熊さーん!出てこないでねー!と時折大声を出して熊にアピールしながら登山する。暗闇より熊の方が実害があるから怖い。

 

そんな感じで快調に歩いていたが、初めて山小屋泊用のザックを背負ったので重さで肩が死ぬ。双六小屋に付いた頃には完全に肩がご臨終あそばす。双六小屋に荷物を預けて軽い小さいザックに水のみ入れて双六岳を目指す。大体双六小屋に泊まって次の早朝に双六岳に行く人が多いのだろうか、昼近くはほとんど双六岳に登山する人がいない。大きなテント泊用のザックを背負ったお兄さんと私くらいだ。ガスが出る前に頂上に!と思ったが、片側は完全にガスが上がってきて、360度のパノラマとはいかなかった。完全にガスってますね、とお兄さんが言うので、こちらも笑えてきてそうですね、と笑って返しておいた。しかし、良いのだ。双六岳に行くまでは晴天で美しい山々の景色を見れたから。

 

しばらくすると三俣蓮華岳の方から沢山の人達が登って来て山頂が賑やかになったが、私は昼からの雷予報が怖くて、ものの5分程で頂上から退散。双六小屋に戻ってきて30分もしない内に雷様がゴロゴロ言い出したので、自分の雷に対する危機管理能力の高さを自分で褒めておいた。

 

戻ってきてから山小屋のカレーを食べる。レトルトじゃなくてちゃんと手作りで、具がとっても柔らかくて美味しい。美味しいのだが、私は登山すると体力のほとんどを登山に費やすため、食欲が落ちる。カレーも夕食も無理やり詰め込んだが、疲労困憊ぶりがすごい。今まで日帰り用の3kgくらい重さのザックで、登り最高4時間半、登り下りの低山縦走でも総歩行距離9時間、の人間がいきなり登り8時間、ザックの重さ10kgも背負ったのだ。

 

あまりの肩の痛さに明日の槍ヶ岳が行けるのか心配になる。足の方はまだ歩けるど!って元気そうだけど、肩さんの方が、もう帰らして貰ってええですかね?胃腸さんの方ももうわてらは何も消化したくありません、言うとるますし、って結構明日の槍ヶ岳に対して反対する人(部位)が多い。うむ。それも手段ではある。山頂なのでスマホが通じず明日の天気も分からぬし、ここはまずたっぷり休養を取って目を覚ました時の各部位の意見と天候にて判断しましょ、と夕方早くも床に付きグーグー寝た。一番乗り近くに山小屋に付いたので、先着順で2段ベットの部屋を取れたため、カプセルホテルみたいだったので良かった。大部屋だったら寝れたかな、と思うが疲労困憊過ぎて多分大部屋でも寝れたけどね。