古傷の思い出

隣の課のネズミくんも登山にハマっている。しかし来月2人目が生まれるので、しばらくは山に登れそうにないとの事であった。登山は本格的に高山登り始めると、お金と時間が恐ろしいほど奪われる。2人の子持ちとなったらそちらにお金も時間も費やすべきなので、代わりに私が嫌という程登ってやろう。といっても北アルプスはシーズンが終わってしまったので、本格的な縦走とか小屋泊とか結局今年は出来なかったが。

 

来年の槍ヶ岳登ってやろう目標の為にジョギングを続けてはいるが、最近足にトラブルが発生した。私は中学生の頃バスケをやっていて左足を酷く捻挫した事があった。赤黒く腫れて1ヶ月は医者に通った記憶がある。そちらの足は捻挫がクセになって何度も捻挫を繰り返した。そのせいか筋肉が弱っているのかどうか知らんが、長く走っていると左足の古傷がズキズキと痛み初めて、走って居られなくなるのだ。まあ、それでもそのうち筋肉が付いて痛くなくるでしょ、と走り続けてはいるが、全然良くならない。むしろ最近は走り始めるとすぐ痛くなるようになってしまった。これでは来年槍ヶ岳までに10km走れるようにならないではないか。テーピングでもして補強して走ってみようかな、と。

 

それでお風呂で足をマッサージしていたら急に中学生の時の捻挫で通ったお医者様を思い出した。その病院というか接骨院は、穴蔵みたいな明治とか大正とかの古びた建物で、待合室は畳で、お医者様は寡黙なおじいさん医師だった。シワの寄った手で、私の捻挫の箇所に何か赤い光をあてて、白い粉を振って丹念に優しくマッサージをしてくれたのだ。それが気持ちよくて行くのが楽しみだったくらいだ。それで大体代金は100円とか200円なのだ。毎回その安さにここは病院としてやって行けるのかなー、と心配になったほどだ。

 

あの接骨院?病院?もいつの間にか建物も無くなっていた。捻挫の古傷が痛む時点であの治療が効果があったのか怪しいところだが、あのおじいちゃん医師の優しい手を思い出すと心があったまる。本当に丁寧で優しいマッサージだった。

 

まあ、毎回おじいさん医師を思い出してほっこりできるから、古傷が痛むくらいそんなものだと思えば何ともないか。亀のスピードでいいから痛くてもノタノタ走って10km目指して気長に頑張ろう。