勝手に寂しくなってやがる

GWの終盤、グループ登山やっぱ無理だわあたい、という打撃を緩和すべく長野の阿智セブンとやらのお山にソロ登山。下山後何やらひっそりと佇む美術館に入った。キャンプの人達が来る土日祝日くらいしか開館しないようで、鑑賞しているのは私しかいなかった。

 

地元出身者の方の展示がこじんまりと展示してある。何やらそこはかとなく空気にカビ臭いような匂いがするのは、この長野の山奥に木造で作ってあるせいであろうか。しかし建物はとても素敵だ。木立の中に淡い緑のお屋根、私はフライングウイッチという漫画が好きなのだが、その中に出てくるひっそりとした喫茶店の建物はきっとこんな感じだろう。あーあ、このような雰囲気に包まれてゆったり暮らしたいものだ。社畜なんてやってる場合じゃない。

 

いつかこのような場所に暮らしたい、という思いが、このような場所にいつか暮らしていたのではないか、という気持ちにすぐ取り代わり、何だか急に切なくなる。来たよ、ノスタルジィ~。いつかのどこかの私の居場所だったのかもしれぬ。という気持ちは1人で遠出した時めちゃくちゃ感じる。勝手に旅して勝手に寂しくなってやがるぜ。

 

GWが終わり、グループ登山に誘ってくれたカエルさんがまたお山に誘ってくれたけど、暫くは遠慮したいなと思い、まだ計画立ててないのでその内連絡しまーす、とやんわり先延ばししておいた。グループ登山別にめちゃくちゃつまらなかった訳ではなくて、むしろ楽しかったのだが、ソロの時の木々とか虫とか鳥とか、はては過去の自分の記憶や、それこそ偽記憶から来るノスタルジィみたいな、色んなものとの脳内での会話がなくて、単純人との会話しかないのだ。人との会話は飽きるほど会社でしている。それをまた何で登山の時まで?わし、そんなに人間好きじゃねえし、という正直者の誰かの声が頭をもたげる。まあ、自分の声だけど。

 

美術館を出たあと、春の名残の桜がまだ咲いていて本当に美しかった。夏の連休もどこか遠くのお山へまた1人で出かけようぞ。先は長いが。

 



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