人見知り、色を要望す

岩稜帯を歩く事も増えるだろうと、岩場用の登山靴を買いに行く。私の足のサイズは左は25半で良いが右足は若干25半だとキツイ場合もある。初めて登山靴を買った時どうしてもレディース用のデザインが良くて25を買ったのだが、店員さんに登山靴は分厚い靴下を履くからワンサイズ上の方が良い、と言われたのを振り切ってレディースサイズを買ったのだ。(レディースのデザインは25までしかない…)

 

靴下はワークマンで買ったさほど分厚くないものをずっと履いていたから問題が現れなかったが、この前槍ヶ岳登る時は長距離を歩くし、と奮発して登山用の分厚い値段も分厚い靴下を買って履いたのだ。そして店員さんの過去のアドバイスが如何に大事か分かった。分厚い靴下を履いた事により靴がキツくなり親指が靴先にあたり、下山後見事に両親指が内出血を起こしてしまった。

 

という事で今回は女であるがメンズサイズの場所ではなから陣取り、あーでも無しこーでも無し、と靴を選ぶ。隣に靴を買いに来た男性が店員さんに、それはちょっと大きいですね、25でいいと思います、と言われているのを聞いて、地味にその人より足がデカイ事にダメージを受ける。

 

選んでいる間に店員さんにめちゃくちゃ色んなお客が声をかけてくるのだが、私しゃ天性の人見知りなので聞かないといけない事も尋ねる事が出来ないのに、お客人達は私からみたらそんな事で人に声掛けれるの?!しゅごい!!と感心するくらいの事を店員さんに聞きに来るのだ。

 

若い女の人の質問はこうだった。「ここで靴買ってこの前登山したんですけど、足のスネのところが内出血してしまったんです。どうすればいいですか。」…しゅごい。私だったら、聞けない。自分でそのくらい考えろ、って思われたらイヤだなって思って。それに実際、あ〜靴紐強く締めすぎたな〜、あたりがキツイから緩めないと、って自分で判断できるような気がするけど、内出血するまでギュンギュンに締めてたんかい?どうすればいいって紐緩めれば良かったんでないかい?と脳内で突っ込んでいたら店員さんが「勾配のキツイ山に登山する時は紐を調節した方がいいです。」と懇切丁寧に説明している。

 

店員さん偉い。そうだよね、何事も知らない人はいるし、私も未だに蝶々結びが上手く出来ず、妹に、この歳まで生きてきたら自然に身に付く事身に付けれてないやん、言われてるから、知らなきゃ聞いていいのだな。うん。しかし、私だったらどうしたらいいですか、って質問の意図が分からなくて、知らんがな、って返答しそう。どういう対処法があるのか聞いているのか、内出血してしまったからこの靴ダメ合わないです、返却ってどうすればいいですかね?のどうすればいいかなのか判断がつかん。多分靴も持参していたからあれは返却するつもり満々だったのだろう。それを店員さん上手く対処法を聞かれた風に応えて返却をかわしている。すごい。

 

中年の男性の質問はこうだった。「汗かいても速乾性があるるTシャツをここで買ったんだけど全然汗抑えれて無くてシャツが汗でビッショリになって、意味あるのかな?って思ったんですけど。」…いや、知らんがな。夏に登山してりゃあ、速乾性あっても限度があるんちゃうん?とまたもや脳内でツッコンでいたら店員さんが「意味はあります。それはお客様の汗をかく能力がTシャツの能力を上回っているだけなので、着ていなければもっと汗でビッショリです」と説明していた。

 

この店員さん懇切丁寧に説明して相手を納得させる能力がすごい。下手な対応だと散々使用したのに返却要求してくる客もいるだろうに。絶妙な受け答えでそれをかわしている感があるな。あっぱれ。

 

しかし人見知りの私から想像も出来ないほど、フツーの人は店員さんに話しかけるのであるな。今日はその2人のお客さんの私からしたら、いや、知らんがな的な質問に感化されて、私も店員さんに、こ、この色ありますか?取り寄せ?分かりました。取り寄せお願いします!と言えたわ。普段の私なら、あ、今この色無いんですか?じゃあこれでいいです。って店頭にある色で我慢して買ってたわ。

 

新しい靴来るの楽しみだな。