ふにゃふにゃの光

北アルプスの夏山も終わってしまったので、そろそろ低山に登り始める秋の始まり〜って楽しみにしていたら熊事件がニュースになりまくっている。出没が多いらしい。低山は本当に人がいない。それが良くてリンリン鈴鳴らしながらルンルンで山登ってるけど、熊は鈴の音くらいで出会わないものなのであろうか。

 

うちの山深くもない小さな裏山でさえ、猪、狸、狐、鹿に出会っている。猪などこの前結構近くにいて腹の底からグルルルと威嚇の声を出していたからこれは突進されるかも、と思って持っていた木の棒で近くの木をカンカン!と鳴らしたら逃げて行ってくれたけど、さすがに野生動物の威嚇の声は恐怖を誘う。

 

こんなに野生動物に出会っているのに熊にだけ出会わない保証がどこにもない。涙を飲んで12月の熊の冬眠が始まるまでは、安全帯の低山を選んで登るしかないな。安全帯あるのか分からないけど。あと冬眠本当にしてくれるんでしょうね、温暖化だけど。と不安にもなるがな。それでも山に登る価値はある。登山初めて心身ともに強くなった。

 

登山始めてなければ毎日会社で泣き、残業しまくり健康を害し続けていただろう。今もたまには泣いちまうが、登山の為の体力維持が最優先なので、気の乗らない飲み会に下戸なのに参加して烏龍茶飲みすぎて体調を崩すくらいなら、瞬で断れるし、定時退社しないとジョギング出来ないから仕事があり過ぎても、そもそも1人に出来ない仕事量を1人で回そっていう人件費ケチり精神の会社のせいですよね?私は帰ります、キリリ、的な心境でジョギングの為に定時で帰る強メンタルになった。(まあ、雨の日は残業して小金を稼ぐがな)

 

それで人の顔色もあまり伺わなくなってきた。所詮どんな人間もこの現代日本社会という柵に囲われた家畜なので、性根がふにゃふにゃである。全然山で出会う野生動物より怖くない生き物である。恐れることも無いし、わたしゃ動物は野生の姿が好きなので、家畜化された人間という生物にはあまり興味がない。

 

昔、ジャングルに何年も篭っていた日本兵の写真みたけど、あの目は野生の目である。あの目をした人は絶滅した。あの目で見られたら恐怖をおぼえるが、会社にあの目を持った人はいない。少し羨ましいのだ。私は。あの目を自分も持つことが出来たらな。私の目もふにゃふにゃの光しかない。眼光するどく、って感じじゃない。

 

山に行くのは少しはその目に近付きたい、憧れから行ってしまうのかもな。