泣くな我

会社でとうとう泣いてしまった。必死に涙を堪えていたけど、面と向かって、よくその肩書きで俺らと同じ給料貰ってるよね、というか歳が上だからもっと貰っているか、それなのに、そんな感じなら、それは部長もヤキモキするわ、と言われたのだ。

 

いや、本当にその通りだ。私は無能だ。無能だから言われた事必死でやろうとするけど、1人だから、本来はチームでやるような事1人でやらなくちゃいけなくて、係長も課長も口だけでは相談してとか、一緒にやるから、とか言いつつめちゃくちゃこっちに仕事投げてるだけで、あとは知らぬ、って感じなのだ。ねえ?こんな無能に仕事任せて不安じゃないの?私はずっと不安だよ。前の係長なら色々アドバイスくれたりこっちが動きやすいように立ち回りしてくれたけど、今の係長は副部長にボゴボコにされているので、自分を護る事に必死で、おまけにこれ以上係長に精神的負担をかけたくない、というのもあって誰にも相談できない。

 

そう思ったら堪えようとしても涙が滲んできて、誤魔化しようもなくポタポタ涙が出てきたので、拭うしかなくて泣いてるのがバレバレである。社会人として失格だ。泣いてるのがバレてしまったので、言った本人も悪いと思ったのか、1人で仕事やろうとし過ぎじゃない?と急に優しくなったが、そういうのも本当にイヤ。無能だからキツく言われても仕方が無い、と思っているのに鉄壁の守りでポーカーフェイス見せれなくて、他人に余計な気使いされるのが死ぬほど嫌なのに、言い返すならまだしも泣くのは最低である。

 

家に帰ってジョギングしたら気分が晴れるかと思ったけど晴れないので、夜空でも見てれば心も軽くなるかと夜散歩しても軽くならず、それなら小説を読めば忘れられるかと小説を読むも、選択を間違えて悲しい話しを選んでしまい、余計泣く羽目になる。

 

こういうのを散々な日と言うのであろうか。でも夜散歩の時に星が綺麗で、秋の野原の草の匂いも良くて、癒されたは癒された。子供の頃から悲しい事があると夜散歩して星を眺めていたから、夜の闇は怖いどころか安らぎさえ感じる。今日キツイ事言ってきた人の事は言われた事は真実なので、全然恨めない。恨めるのは部長である。おまいは私にヤキモキする資格はない。大体私の以前の仕事の後任がやっと独り立ちしたところで、他部署にその人を異動させるって、どういう事?他部署からの要望といえどそこはガンとして断ってくれないと、私の負担がまた増えるだろうが。本当に自分のいい顔したいだけの無能部長め。

 

あ、元気出てきた。やはり他人への恨み言をぶちまけるのは、ガス抜きにいいと言うことだな。このままの勢いで眠りにつこうでは無いか。