サツマイモと雪と涸沢

有給を取って念願の奥穂高へいざ!天気予報をみると下界はいい天気であるが山の天気は悪いようだ。前日には雪も降ったようだが、今の時期の雪なんてすぐ溶けるであろう。去年雪で蝶ヶ岳を諦めた時次の日には溶けていたので、なんだ、行けたじゃん…としょぼくれ記憶がある。二の舞は踏まない。

 

駐車場に前泊して始発のバスに乗り上高地へ。雨が降ってはいるが止むとの予報だしな。とりあえず一気に穂高岳山荘まで行くためにせっせっと歩こう。しかし見事に上の方は白く雪化粧しているが、あれはすぐ溶ける系の雪なのであろうか。一抹の不安が拭えない。行ってみるしかあるまい。

 

せっせと歩いたおかげでめちゃくちゃ早く涸沢まで来れたのは良いが、雪が思ったりより積もっている。涸沢から奥穂高の登山道、ザイテングラード手前まで来た時、これはヤバイと感じる。私はアイゼン持ってないし、何より岩場の雪など初体験である。ルートもおぼつかないのに風もそこそこ雪もまだチラついている。あと2時間程で山荘だが無理して滑落なんて洒落にならぬ。

 

時計をみると12時半、うむ!今から下山すればバスの最終に間に合う!迷っているヒマはない。まごまごしていると行くも帰るも出来ぬ状態になってしまう。そういう事で速攻下山を開始。奥穂高〜待ってろよ〜来年はきっとそこへ行くからな〜と後ろ髪引っ張られて髪が引きちぎられそう。

 

ほとんど休憩せずに下山。バスに間に合ったが今日は一体何しに??と思ったが、思い起こせば元々は涸沢ヒュッテに泊まって涸沢の紅葉が見たかったのに予約が取れず、やむなく穂高岳山荘にしたのだ。それでどーせ穂高岳山荘行くなら奥穂行かなきゃ、となって目的がすり変わってしまったが、そうか、今日は本来の目的、涸沢の紅葉を見れたのであった。雪が積もっていて、半分ほどの紅葉だったが雪と紅葉の涸沢を家から持ってきたサツマイモを食べながら眺められたのは良かった。行動食には向かないかさばるし重いしそれでもサツマイモをこよなく愛する身としては持ってきたかったのだ。うまい。でも寒い。フツーに氷点下だ。涸沢、テント張ってる人いっぱいいるな〜。私も来年までにテント泊を出来るようにしたい。

 

いつぞや槍に行く時に出会ったおじ様の魅惑の言葉、テント泊は自由だよ、が耳から離れない。自由。社畜してると自由に憧れるのである。

 

下山して当日キャンセルすんまへん、と穂高岳山荘に電話すると、天候理由なのでキャンセル料は要らないと言う。ありがたいが雪を甘く見ずにせめて前日にはキャンセルしておけば良かった。反省しきりである。来年は絶対穂高岳山荘泊まりに行くぞ。

 


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