手でも杖でも

4月からの新体制に向けて新しい課のメンバーで1回目の打ち合わせがあった。今の仕事を誰に引き継ぐかの打ち合わせだ。ワクワクが止まらない。一体私の業務を引き継ぐ憐れな子羊はどなたかな?オホホホ。性格悪いが喜びが止まらない。

 

それで渡された紙をのぞき込み旧担当の欄の自分の名前を見つけ、その隣の新担当の名前を見る。ふむふむ。ん?これはどういう事であろう。私と同じ苗字が記載してある。私の記憶が確かであれば、我が部に私と同じ苗字の人は私以外にいない。書いてある事が間違いではないなら、私は私に仕事を引き継ぐ事になっている。

 

オホホホと性格悪く喜んだけど、気の毒に私の後任の可哀想な人は私であったらしい。人が足りないからとりあえず、課を跨いで2つの担当をしなはれよ、って事らしい。うふふ。殴っていい?私の喜びを、ワクワクを返せ。返してくれ。まあ、いい。深くは考えないでおこう。仕事の事に思考を取られる時間は極力少ない方が精神衛生上良いに決まっている。

 

この前友人が遥々と我が天上界にマラソンをしに来て、その走る姿を見ていたら影響されやすい私は、私もハーフは無理でも10kmは走れるのでねえかい?っと思ってしまい、1週間に1回は10km走る事にした。宇宙飛行士に選抜された何とかさんも、会社から家まで12km走って鍛えたというではないか。ジョギングで体を鍛える事は宇宙飛行士への第1歩なのである。素敵。

 

気分だけは宇宙飛行士候補でジョギングをする楽しさよ。うわー辛いなあ歩いちゃお、と思っても、心の中の宇宙飛行士になるつもりのもう1人の私が、おいぃぃ!たかが10kmも走れなくて何が宇宙飛行士や!根性出さんかい!!って両方の頬っぺをビンタしてくるので、そうだよね、宇宙飛行士はここで歩かないよね、と思い直して走り続けるのだ。

 

冗談ではなく長生きすれば宇宙飛行士というか一般人も宇宙に気軽に行ける時代に何とか手が届きそうではないか。手でも杖でも届かせるためにも体を丈夫に保つ。なんせ130歳まで生きるつもりなので。