レンジャク様の慈悲

今日は1日雨と言うことで、登山にも行けないし、ジョギングも出来ない。合羽を着てそれらをするのは眼鏡が親の敵のように曇るのでご遠慮申し上げている。

 

それなのでゴロゴロとポテチ、チョコビスケット、アーモンド達を貪り食って韓国ドラマを観ている。当たり前だけど恋愛ものドラマのヒーローとヒロインは美男美女である。最近ことに美男美女の価値も薄れつつあると感じる。AIや体を作り替える事がどんどん進めば、誰しも美男美女になれるだろうし、脳の機能をAIと接続して思考さえ作り替えられる日がそう遠くないと感じる。攻殻機動隊の世界なんて夢だと思ってたけど、全然夢じゃなくなってきて、そうなったら良いのか悪いのかもよく分からないうちにそうなって、もう後戻り出来ない世界になっちゃうんだろうなあー。いまの資本主義の世界のように。

 

なーんて考えてドラマの俳優のイケメンっぷりに好きっ!!と画面の前でカッコ良さにのたうち回っている自分の姿が急に哀れに思われ、このようにジャンク菓子をあと何十年もしたら化石のように珍しがられるようになるかもしれない、かくも尊き何もいじっていない自然体に毒のように投入して、ルッキズムに踊らされし我の罪深きことに畏れ慄いて、雨というのに傘を差してお外にお散歩に逃げ出した。すたこらさっさ。

 

雨なので鳥もいる訳ないと思いつつ首に双眼鏡をぶら下げ50歩も歩かない内に、電線に雀より随分と大きい鳥たちが群れて留まっている。驚愕する。な、な、なんと初見となるレンジャク様ではございませんの?!驚かさないように近付いて双眼鏡を覗くも、曇天の白い光が逆光になって羽の特徴をうまくつかなめない。オマケに雨なので皆丸く雨に耐えるように縮こまっている。でも頭のピンとたった形、大きさ、間違いなくレンジャク様だ!

 

結局ヒレンジャクキレンジャクか見分けはつけれなかったが、雨の日にこのような幸運に浴する事が出来るとは。ありがとうございまする。テレビの前で菓子を貪り食いゲヘゲヘいやらしい笑みを浮かべて俳優を観ていた欲にまみれた我を許したもうて、そのお姿をお見せになってくれるとは。なんと慈悲深きお方。レンジャク様。好き。さっき見てた俳優と一緒くらい好き。いやいや、レンジャク様の方が好き。いや、どーでもええわ。

 

レンジャク様に会えたので、ジャンク菓子を食べ過ぎて重たくなったお腹の重みもなんのその、足取りが一気に軽くなって、勢いついて1時間雨のどしゃ降りの中お散歩をルンルン楽しめたわい。びしょ濡れになったけどな。