もうひとつの私の部屋

たまに見る夢を今朝また見た。所々は違うのだが、狭い屋根裏または狭い裏庭の道などを、抜けた先に私の忘れていたもうひとつの家が出てくる夢だ。大体それがすんごい広い体育館みたいな家で、そこに以前住んでいた人の荷物がたっぷり残っているのだ。

 

日本家屋の薄ら暗い感じで古めかしい木の大きな箱が埃を被っていたり、日本人形が沢山飾ってあったりする。ある時は以前の住人の子供達の絵が残されていたり、古いカレンダーがそのままかかっていたりして、それを見て何故か私だけそこに取り残された家族の1人のような気がして無性に寂しくなる。

 

今日は外が大雨だったのが耳に入っていたのだろう、今回辿り着いたもう1つの私の家は、屋根に大きな穴が空いてめちゃくちゃ雨漏りしていた。むき出しの板張りの床に雨が池のように溜まっている。こりゃ困ったな、改築しないとなあ、なんて呑気に思っている。天井を見るとやっぱり体育館のように広いので高くて、屋根裏ぽいところにやはり前の住人の荷物がたっぷり残っている。でも今回は何故か安心する。ああ、やっぱりあったんだ私のもう1つの部屋。何度も夢に見るけど夢だったから残念に思っていたけど、やっぱりあった。今度は忘れないように辿り着いた道を覚えていよう。今日は私の元の部屋から伸びている細い山道を辿ったらたどり着けたのだ、絶対今度は忘れないぞ!

 

と思って目が覚めたら、あ、やっぱり夢だった。あの部屋(家)はやっぱり無いのかと、ガックリきてしまった。

 

以前福井の海沿いの街を通り過ぎた時、山にへばりつくように大きな屋敷のお寺が見えた事があった。何か夢に出てくるお屋敷に雰囲気が似ていて、夢の中で感じる閉塞感と寂寥感と懐かしさとごっちゃになって何とも言えない気持ちになった。

 

今日妹に会ったら、お姉ちゃん髪の毛パサパサ、年老いたおばあさんより酷い。シャンプー何を使っているのか?と問い詰められたので、398円のシャンプーだ、と言ったら、信じられぬ、私達くらいのオバハンは髪は衰えるばかりだから課金で何とか凌ぐしかない、少なくとも1000円を超える、出来れば2000円超えシャンプー使わなければいけない、と説教をされた。

 

いつもならまた怒られちった、ってスルーするのだが、今朝見た何か寂しい夢の尾を引っ張っていて、高いシャンプーでも買ってシャンプーでもすれば、頭スッキリするやもしれぬ、と早速980円の(結局1000円超えてないけど)シャンプーを買って夜それでシャンプーをしたのだ。

 

そしたらスッキリしたかはともかくめちゃくちゃいい匂いがするではないか。すっかりご機嫌になって、もう1つの家はまた探せばいいわい。いつか辿りついてやるぜよ、と明るい気持ちになったがな。いや、夢なんだけどさ。