竹の棒を手に入れた

先日登山口に誰か親切な人が杖がわりと、数本竹の棒を置いてくれていた。そのうちの1本を遠慮なく使用させてもらった。別に杖などなくても登山できるのだが、いつも登っているこの山、別段人気がある訳では無いので、私以外誰か登ってます???状態なので、登山道に蜘蛛の巣が張るのだ。

 

蜘蛛の巣に引っかかるのが嫌で、いつも小枝を拾ってブンブン振り回して登っていたが、てってれ〜、まーちゃんは竹の棒を手に入れた。これで蜘蛛を退治できる!って感じでスキルがアップしたのだ。

 

小枝よりも丈夫で長いのに軽くしなやな。竹の素晴らしさを実感。そりゃ剣道の道具にもなるし、かぐや姫のお家にもなりますわいな。

 

という事で、裏山を登る時はその竹をいつも持ち歩くようになった。人がいない広々としたところでは振り回して、ヒュンヒュンと空気を切る音なんか出しちゃって、ちょっとした剣士気分。我ながらカッコイイ。中二病的だが。

 

だが今日は週末とだけあって、珍しく2組の登山者に出くわした。バリバリにThe登山って感じのええ格好している。手にはなんだほら、今調べたら出てきたけど登山用ポールなどというオサレな棒を持っている。急に竹の棒を後生大事に持って登っている自分が恥ずかしくなった。

 

ヨレヨレのジャージに竹の棒を担いで、首にはお風呂で死ぬほど使って、うっすーくなったタオルを巻いて、これでは登山者ではなく、山の住人と間違われないだろうか。いや、弁解させてくれ。私だって少々遠い山に行く時は竹の棒は持たぬし、ちゃんとオサレ登山者に擬態していくのだが、この山は裏庭みたいな、裏山なんだ。家の裏手の自分ちの庭みたいな感覚なんだっっ。

 

って1人で弁明を脳内で繰り返すが、相手も何も気にしていないだろう。こんちにわ、と挨拶をしてすれ違った。

 

しかしその後に竹の棒を恥じた自分を恥じた。今までこんなにも蜘蛛の巣の襲来から、ヱヴァンゲリヲンもかくやというくらい、わたくしというセントラルドグマを守ってくれたものを。あんな細っこい登山用ポールに見劣りすると思ってしまった私を許してくれ、竹の棒。もうずっと一緒だからなっっ。(この山だけで)。

 

登山は格好でするものではないが、いささか私は軽装過ぎる。山はダニや蚊や蜂やら蜘蛛やら色々いるから、肌をなるべく出しておかない方がいいと、蚊に10箇所くらい刺されてボリボリ掻きながらそう思う。登山道具買いに行ってみるべかな。でも、あーいうの何であんなに高いのだ。

 

私は格好から入るタイプではなく、もうどっぷり入っているのに、未だにモジモジして格好に入れないでいる。え?わたくしごときの登山初心者が?登山装備していんですかい?キャッ!恥ず!って自意識過剰もここまで来ると、本当に病気だな…