ここは前線

今日は伊吹山ドライブウェイに行った。頂上が近付いて来た時、道路沿いのガードレールの向こう側に、ズラ〜っとバズーカー砲のようなカメラを持ち、迷彩柄の服の人達が延々と続いている。一体何事か?たしかに景色は綺麗だがそれ目的でこんな戦争の始まりそうな雰囲気を醸し出すであろうか。

 

しかしこれには既視感がある。数年前に伊良湖岬に行った時同じように駐車場にバズーカー砲の御仁が群れをなし、空に向かってシャッターを切りまくっていた。後で分かった事だがあれは鷹の渡りを見に来ていたのだ。それで今回も鷹の渡りだろうか?とGoogle先生に尋ねたところ、伊吹山自体にそもそも鷹が多く撮影聖地となっているようだ。

 

しかし今回私は結構早目にこの伊吹山に来たが、このお人達はもう多分早朝からいつ現れるともしれぬお鷹様をお待ち申し上げておられるのか。その熱意に脱帽する。しかし道路の立て札に猛禽類にエサをやらないで下さい、生態系が崩れます、的な標識が立っている。

 

それでだいぶガックリする。鳥を撮る人は私と同じ鳥を愛する人達かと思っていたら、良い写真を撮る為なら手段を選ばない人達が少なからずいて、別に鳥が好きな訳ではなく、鳥を上手く撮りたいだけの人もいると言う事だ。ガックシガックシ。私も鳥を撮りたくてカメラを欲しいとは思うが、いつ、鳥が好き、から良い画像を撮りたい、になってしまわないか自信がない。だからずっと伯父さんに貰った古い双眼鏡でこっそりその時々に出会った鳥を見るだけ、という生活で満足するしかない。

 

帰る時にちょうど鷹が出たのか、バズーカーが皆同じ方向に行ったり来たりと向きを変えているのでそっちを見るとたしかに、空を滑空する鷹ぽい鳥がいた。かっちょいい。私も車を側道に置いて見たいが、鳥撮り達に占拠されているので、ここは諦めるしかあるまい。ここは前線なのだ。激しい撮影争いが行われている所に、丸腰で乗り込むようなものだ。諦めてさっさっと帰ろう。

 

帰って来てから日もまだ高かったので裏山に散歩に行ったら、秋になった途端野鳥にめちゃくちゃ出会えた。夏はこうはいかんのよ。秋の野山は本当に気持ちがいい。虫は少なく風は爽やか鳥も多く、木々の匂いがとっても良い匂い。クンクンクンクン空気を変態のように嗅いで散歩しておいた。

 

ああ、癒される。プライベートジェットやプライベートビーチを持つのはお金持ちなら、お金持ちでもないのにプライベートマウンテンを持ってる私は相当恵まれてるな。つーても人の山だけどな。