矜恃

久しぶりに、お腹がスタンダ〜ップする事があった。つまり腹立たしい事が。ここの所私の担当工場はとっても忙しい。悪いが他の工場担当者より受注増で忙しい。のに!コロナウイルス感染疑いで、課の派遣さんがお休みになっていた。その派遣さんの仕事も主には私しかカバー出来ない。マジか。忙しい。嫌だ。でもやるしかあるまい、と思っていたのに昨日、課の吉野くんがお休みを取った。

 

内心、おいおい、派遣さんの仕事の一部のカバーは君の仕事だから、君に休まれると私の負担がまた増えるがな、と思いつつ、年休なら仕方あるまい、と諦めて昨日、キリキリ舞で働いたわけだ。

 

そこで昨日やっかいな仕事が舞い込んだ。派遣さんと吉野くんの仕事だ。2人ともいない。2人の仕事をカバーできるのも私だけ。他部署に頼まれて、時間との戦いなので一生懸命対応しておいた。

 

あとの処理は明日来る本人に任せればよい、として本日を迎えた。係長は私の対応にお礼を言ってくれた。それで吉野くんに引き継ぎの話をしたが、何だか反応がない。よく見るとブスっと黙っている。おまけに口を開いたと思ったら、これ他部署と調整取りました?と言い放ったのだ。

 

私は最初言われた意味が分からなかった。だって私だったら昨日不在で対応してもらったお礼をまず言って、引き継ぎ内容を確認し、今日私がやるべき事をやるだけだ。相手にちゃんと対応したのか、って詰め寄る事などない。それに悪いが私はちゃんとやった。私のやった事に対して、ちゃんとやってないんじゃないかと、無理やりいちゃもん付けてきている内容な上に、それは今日自分がやればいい内容なのである。

 

さすがに、カチンと来たが、ここは大人。それは今日吉野くんが対応してくださいな。と言ってそれ以上話すのをやめた。

 

凄く腹が立ったが、その理由もよ〜く分かっている。昔派遣のおばさんに睨まれた時と同じ理由だ。私は自分が仕事ができるとは思っていないが、色んな人には頼られる。それで頼まれた事は淡々とこなしていたら、ある日派遣のおばはんに無視されるようになった。自分は重宝されないのに、私が色んな人に頼られて重宝されているように見えたのか、ヤキモチを妬かれたのだ。それからは、自分は無能で何もできない、頼らせてね、っていう態度で派遣のおばさんに対応したら、ご機嫌が良くなった。

 

おばさんは難しいな〜っと思って気をつけていたが、吉野くんは男でそれで若い。それなのに同じような理由で今回突っかかってこられた。おばさんとか若いとか関係なく、やっぱりただ単に性格なんだな、って思ったわけだ。つまりプライドが高い。

 

私なんてクソみたいなプライドしかないから、その気持ちがわからない。人が重宝されていたら、すごいなあ、私もマネしてみよかなって思うか、私には無理!と思ってヘラヘラしてるのかのどっちかだ。

 

係長なんて見てみなさい。よかった〜対応してくれてありがとう〜ニコニコ、ってプライドもクソもなくお礼言ってくれたがな。な〜んかプライド高い人ってめんどくさい。そのプライドに見合った能力持ってるんすか?あと、能力持ってても、人にやってもらってお礼も言えない人間になるくらいなら、やっぱり私は今のまま能力なくてプライドが底辺の人間でいいや、ってそれが唯一の私の矜恃、プライドかな。