真実はシャーペンの中

大人になって知ったのだが、シャーペンの0.5とか0.3とかあの謎の記号は芯の太さを表していることを30過ぎてから気が付いた。同じくシャーペンの芯にも売ってある時に謎の記号が記載されておるなとは思っていたが、私の中であれは何か1号2号みたいな、名前みたいなものだとずっとず〜っと思っていたのだ。

 

だからあれが芯の太さを表していると知った時に、急に何もかもの辻褄があって謎が解けた!!!感があった。だから、たまにカチカチしてても出てこない芯、書いてると引っ込む芯があってこの不良品め、と思っていたが、あれは無頓着にシャーペンにシャーシンなんでも突っ込んでおきまする、としていたポンコツ脳を搭載した自分という不良品のせいだったのだ。

 

知るということは世界が変わる。別にセブンとかスリーとかファイブって名前じゃなかった事は、大きく世界が変わった。あの記号が名前であった世界にはもう戻れない。ところで世の中の人はあれが芯の太さだとどこで学んだのでしょう。学校で習った記憶はないが、世の中の人は凄いなー。ちゃんと知ってるから。

 

でも私も芯の太さを表していることを誰かに教えてもらった訳ではない。ある日ふと、どうしてシャーペンとシャーペンの芯とに同じ名前を付けるのであろう。もしかしてこれは同じ名前のとしか使えない互換性がないってやつなんじゃないですかい?え?え?えーーー!!!これもしかしてこのシャーペンの先の丸の太さを表してるんじゃないの?!えーー!!絶対そうだ!こんなの気が付いた私って天才!!って思ったのも一瞬で、その後、とっくに世の中の人は知っているのではないかと気が付いた。そして1人その場で赤面した。あれを今まで名前的記号と思っていた事を誰にもバレずに生きてこれただろうかと、自分の記憶サーチした。

 

ピピピ…う、うむ。大丈夫だ。とりあえず今気がついた事に感謝しておこう。人は一生真実に気が付かずに暮らす事もあるのだ。気が付いただけでもよかった。

 

でもそうやって考えると、私はきっとまだまだ本当の事を知らずに日々この世界を生きていると思う。本当の事を知った時、世界はガラリと変わる。

 

しかし私があれを名前だと思っていた事も真実と言えば真実だ。その世界ではシャーペンは不良が多い。ただそれだけの事だ。シャーペンなど色の濃さだけで選んでいたあの世界線にはもう戻れず、今この世界はただでさえ悩み症な私が、色の濃さ以外に芯の太さまでも悩んで買わなくてはならなくなった点を考えると、どちらの世界もどっこいどっこい、甲乙つけ難しなのだ。