丸っと滑っとした砂

恐ろしいものである。世間に興味が無さすぎるのは。オリンピックの年は1年間オリンピックやってると思ったし、箱根駅伝は永遠にゴールに向かって走ってるだけと思っていたので往路復路があるとアニメにハマってやっと知った。それを妹にドヤ顔で、箱根駅伝の説明をしたら、駅伝に興味のない私だって往路復路ぐらい知ってる、今まで知らなかったのが酷すぎる、と呆れられる始末。

 

今日などサッカーの監督、森 保(もり、たもつ)っていうフルネームだと思ってたら、森保で苗字だと知り、さらにそれをもりほ監督と思っていたら、もりやす、だと知って、良かった、本当に良かった。人前で口走らなくて、とホッとした。妹に、興味がなくてもフツーに生きてたら知っていく事本当に知らなさすぎじゃん、と言われて震えあがる。

 

ああ、私はフツーに仕入れる情報を仕入れられてなくて、きっとおかしな事を口走ってる確率が物凄く高い。元々コミュ障気味で他人と話すのは得意ではないが、自分が変な事を口走らないよう、ますますお口の開きが悪くなる。

 

しかしだね、開き直るが、私は逆に世間の人達が興味なくてある事も意識していない、存在していない事柄はある程度知ってると思うのだ。今日など会社行く前に道路の脇の芝生でカラスが餌を探してヨチヨチ歩いているその可愛さに悶える。たまらなくなって窓をあけてカァカァ、と話しかける。自慢じゃないが私はカラスの鳴き真似がものすごく上手い。案の定カラスが不思議そうにこちらを見る。それでまたエサを探すのだけど、またカァカァと話しかけたら、丸い目をますます丸くしてこちらを不思議そうに見ている。

 

可愛ええ〜!!道路脇のカラスに意識を向ける人など少ないであろう。トータルの知識量は世間の一般常識を知っている人達と同等と捉えて色々知らなくても許して欲しい。私だって色々世間一般の事をにもう少し興味を持とうと、色々覚えようとするのだが、3歩歩くとマジで忘れる。会社のリバーさんが、熱くサッカーの話をするのでふむふむと聞いてはいたが、ミトマ、と言うのでどういう字なの?と聞いて三に苫小牧の苫だという。なるほど。三苫という選手がいるのか、良し覚えた。と思ったが昼休みにはもう忘れてしまい、またリバーさんに、ミ、ミ、ミの付く選手は?とドレミの歌の歌詞のように聞きに行く始末。恐らく1週間後にはミしか覚えていない自信がある。

 

何故か人の顔も名前もサラサラと指からこぼれ落ちる砂のように覚えられないのだ。人にはそれぞれ記憶からこぼれ落ちない砂の形がそれぞれ違うのだろう。人の名前は私の中では丸い。だからスルッと記憶からさようなら。逆に鳥さんの名前は星型の砂なんだろう。グサッと記憶に刺さって抜け落ちにくい。私が世間の一般常識を知らなさすぎなのは、その情報が丸っと滑っとした形なのだから仕方がない。

 

何かのせいにできるのは良い事だ。いつもこの言葉を繰り返して開き直ってる。