茶々丸と出会う

9月くらいに登山していたら、綺麗な黄緑の繭を拾った。調べてみたらヤママユという天然の蚕みたいだ。気持ち悪い茶色の巨大な蛾が生まれてくるだろう。明石さんだったらもちぐまんをにぎにぎして気絶する。このネタがわかる人いる?

 

とりあえず、気持ち悪かろうがなんだろうが好奇心には勝てぬ。持って帰って果たしてどんな蛾がご生誕あそばされるかこの目でしかと確かめようではないか。と持ち帰って後生大事に部屋の隅に入れ物にいれて観察を初めて早3ヶ月。何の音沙汰もない。もしもし?生きてますか?繭を振るとカラカラと音はするが生きてるのかどうかわからない。

 

というか蛹がこんなに羽化しないのはおかしい。もう死んでしまったのだろう。残念だ。それにしても綺麗な黄緑の繭なので、中の死んでしまった蛹を出して、繭だけでも飾っておこうと、慎重にハサミで先の方をチョキっと丸く切り、中の人、いや中の蛹を出そうと思ったら、これが予想以上に丸々と太っている。先の大きさの円では出てこなさそう。

 

おまけに脱いだ幼虫の頃のお洋服が縮こまって詰まっている。仕方なし飾ろうと思っている裏側を縦にハサミをいれて、中の蛹をポロッとお庭に出した。お墓を作ってあげよう。しかし見事な蛹だ。ピカリンと黒っぽい茶色の丸々としたその体。羽化したならばそれは見事な茶色い気持ち悪い蛾になったであろう。羽化しなくてかわいそ。

 

なでなでと指で撫でたら、これがビックリ、うにうにと動いた!生きてやがるぜ!慌ててスマホで調べたら、秋口に蛹になったら越冬して春に羽化するらしい。なんと。お休み中だったのに、真っ裸にされて土に埋められられそうになって。マジかわいそ!

 

という事で急いで繭の中に綺麗に戻し、セロハンテープで優しく補強し、入れ物に戻し、部屋の中では暖かいし明るしいで、春までに間違えて羽化するかもしれないと、寒くて暗いでも気温の安定した玄関の隅にそっと居を移しておいた。

 

名前を決めたぞ。茶色の気持ち悪い蛾が生まれてくる予定なので、名前だけは可愛らしく、丸々と太った蛹だし、茶々丸としよう。

茶々丸、春にはちゃんと羽化するといいけどなあ。