よく動くバカ

小学生の時私は本当にお勉強が出来なかった。それに拍車をかけるように小学低学年の時の先生があまり宜しくなかった。私は勉強できないバカな子扱いをされた記憶がある。それで私は人より何も出来ない子なんだな〜とすっかり刷り込まれてしまった。

 

まあ、過ぎ去りし日の事は置いといて、そんな感じで私はずっとずっと就職してからもずっと、人様は私よりも何でもできる優れておられる、と思って過ごしていた。だから人様から頼まれようものなら、はっ!私のような下賎の者に頼って頂けるとは、恐悦至極でござりまするぅぅーってとにかく頼まれたら断らずにやってきた訳だ。

 

だから、なんで私がそんな事しないといけないの?!って人に会うと、ほへ〜すごいなあ、優秀な人は自信満々だなあ、仕事が選べれるんだなあ、やっぱり私はおバカさんだなあ、と思っていたわけだ。

 

それだから、人様にされて嫌な事はしてはいけません、っていうよく聞くフレーズで私は動かないようにしている。なぜなら人様にされて嫌な事のレベルが、他人とかなり差がある。他人が怒るレベルでは全然怒れない。自分は嫌じゃないから、平気で他人にしてしまいそうだ。だから自分は全然嫌じゃない事も、相手をよく見て、う、うむ、これは人様は嫌なレベルだな、うむ、と何とか周囲を見て判断している感じ。

 

そんな私が最近とても居心地悪い出来事が起きた。どんな理由か知らんが、フツー資格試験に受かったら次の級を受けれるのは3年後なのだ。それが免除されて今年も受ける事になった。私は単純に私が中途でまあまあ年取ってるので、そういう人はみんなそうだと思って特に気にもしていなかった。そうしたら、それは非常にイレギュラーな事で、多分去年の資格試験が優秀な成績だった為、すぐに上級を受けさせ、いずれは管理職にならせようとしている、ととある人に言われたのだ。

 

驚愕過ぎて顎が外れた。おいおい!うちの会社大丈夫か!ホンマ!っと思った。私レベルが優秀部類にされるとはどーゆーこと?ああ!分からん!うちの会社潰れるぞ!そして何より居心地が悪いぃぃ!バカ扱いは慣れているが、優秀な人扱いは今すぐ穴に入って二度と出てきたくないくらい、恥ずかしい。優秀じゃないのにやめてやめて恥ずかしい、死ぬ。

 

しかし今更だけど、過去を振り返って見ると、そういえば私は高卒で就職したが、その時に1番優秀な人が進められる就職先を進められた。私はそれは単純に、女子に嫌われていた担任の先生に私はフツーに接していたので、先生の心証が良かったからだろう、とおもっていたが、あれはもしかして本当に成績が良かったのだろうか?え?え?もしかして?もしかして?

 

世の中の人も私と同じくらいのバカなんじゃない?同じバカでも、自覚して自分はバカだから動くしかないとセッセッと動くバカと、自覚がないからなんでこんな仕事って言って動かないバカと、どっちのバカを重宝するかと言ったら、そりゃ、よく動くバカを重宝する!

 

そうだったのか!私はバカだが、私だけがバカではなく、みんな結構バカだったんだ!私だけじゃないんだ!となんか急に安心感。永年のコンプレックスがなんか緩和されたわ。