物好きな日

実家の黒猫ジジに会いに行く。ジジは真っ黒ではなくよく見ると黒の中に縞模様が入っている。結構珍しい毛色らしい。猫じゃらしで遊ぶもジジの体力に負けて、最後は寝転びながら猫じゃらしを振らせて頂いた。

 

ジジだけ構うのも不平等であるので、老犬マロンの散歩に出かける。私が甘いのを知っていて遠くまで散歩に連れて行ってくれるのを知っているのでルンルンしている。が、しかしそこは老犬、最後はヨタヨタであるし、足もたまにガクッとなってしまって、何か愛しくもあり寂しくもある。

 

実家に来た時のマロンさんは美濃柴犬特有の美しい赤茶色の被毛に、ぶどう色の瞳をしていたが、今ではすっかり被毛の色も薄れて黄土色になり、目は白内障で白く濁っている。耳もあまり聞こえていないし、今は匂いだけで誰が誰なのかと判断してるみたい。何かなー、寂しいなー、お別れ近くなってる証拠だなー、と思うと涙がちょもれる。せいぜい長生きしておくれ。まだまだ行けるからな、とマロンを撫で回しておく。

 

家に帰ると愛鳥がピヒョ!っと鳴いておかえり〜と全身で喜びを表してくれる。可愛い。キスされるのが嫌いなのだけれど、背中に2回まではイヤイヤ我慢してくれる。調子のって3回目のキスをしようとすると確実に唇に噛み付いてくるが、それもまた愛し。動物って本当に愛が分かりやすくて素晴らしい。動物には無償の愛を与えられるしな。これが対人であると、なんか結局報酬を求めてしまいそうだ。

 

昨日はトレーニングの為に湿気ムンムン暑さ満点の低山をいつもより早いスピードで登るぞ!と登りだしたが、案の定暑さにやられる。こんな調子で槍ヶ岳今年登れるのであろうか。それも1泊2日のタイトな日程で登ろうというのに、このような低山ごときに結局いつもと同じタイムで頂上につく始末。槍ヶ岳まだ無理かもしれぬと半べそこく。頂上には男女の2人組と男の人が1人いる。この暑いのに物好きな…と自分を棚に上げて思う。おじ様の方は熱々の鍋焼きを作って食しておられる。この暑いのに物好きな…と今度は棚に上げずに思う。

 

おじ様が写真を撮ってくれというので快諾し2枚ほど撮る。美しい景色を眺めてすぐに下山。槍ヶ岳。ああ、槍ヶ岳。登り下りで10時間程の山行きは耐えられる。しかし登りだけで10時間弱は夏の暑さもあいまって登れるか超自信がない。夜中登山開始すれば暑さが本格的になる前に槍ヶ岳付けるかな?などなどあーでもなしこーでもなし、と考えて下山する。最終的にどこをどうなったか、下山した時には5億円当たったらどこに家建てようか、仕事の辞め時は?という槍ヶ岳登るより確率の低い出来事に思考を巡らせてしまっていたようだ。

 

あー、仕事辞めたい。5億円当たって山ばかり登っていたり生き物と触れ合っていたいばかりの人生ですわ。