エクソシスト

ジョギング中に何の花か分からないがとても良い匂いがする。春だな〜とクンクン嗅ぐ。しばらく走っていたら焼き魚の匂いがしてきて、またしばらくすると今度は味噌汁の匂いがして、最後にはカレーの匂いが漂ってきた。明日からは白飯を持ってジョギングしなければなるまい。いや、焼き魚味噌汁カレーと塩分頑張ってる食べ物だもの。ご飯のおかわりが必要だろう。明日から炊飯ジャーを担いでジョギングだ。

 

といっても永らく白ご飯を腹一杯食べた記憶はない。いや、1ヶ月ほど前に東の国からやって来た友と定食を食べたがあの時は久しぶりに米を腹一杯食べられてとても幸せであった。私は太ってはいないしむしろ痩せて見える体型だが、私の中には大食漢の悪魔が住んでいて、ともすると暴走しそうになるので、常に悪魔を押さえ込むエクソシストみたいな毎日を送っているのだ。奴を抑え込むには発火剤となる最初の高カロリーな1口を与えない事である。1口食べたらもう活動し始めてしまう。ポテチの袋を途中で折り畳んで取っておくようなやわな下級悪魔など私の身には宿っていない。開けたら最後ポテチを食べ切るのが高等悪魔の所業でごんす。

 

一体何度、アーモンドは毎日5粒だけにしようと誓って大袋入りを買い、2日で無くなるという罪深き行為を繰り返したであろう。それならばこれでどうだ!と1週間分のおやつを小袋にそれぞれ分けて、これで1日1小袋だけしか食べたらなんね!としたはいいが結局2日目にはせっせっと小袋を全然開封して食べちゃうという、結果小袋に入れる遊びしてみました、ってだけの話になってしまうのだ。

 

この前こよなく愛する私の愛鳥が、片足を痛がって羽根の中に足をしまい込んでいるのを見て気絶しそうになり、即病院を予約するも5日後しか空いておらず、毎日暗澹たる気持ちで過ごしていたが、特に心配することでもなく、結局事なきを得たのであるが、その際に病院の先生に、人間の食べ物は欲しがっても与えてはいけないですよ、と念をおされた。ぐぬ。そうなのだ。与えてはいけないと思いつつ人間が食べているとそれくれ!それくれ!とねだるのでついつい与えていた。

 

それからすぐに小鳥の食べてもいいおやつをペットのお店で買い漁り、それくれ!状態になったら、人間の食べてるものと思わせつつ、鳥用のおやつを与える事にした。しかし鳥は思った以上に賢い。最初は食べていたが、最近はペッと捨てやがる。おいおい、あのしょっぱかったり甘かったりした食べ物どうして君だけ食べているんだい?という目でジットリこちらを見てくる。

 

心が痛い。しかし長生きしてもらいたいのだ。私がエクソシスト並に自分の中の悪魔と戦っているのも自分を長生きさせたいからだ。一緒に長生き目指してがんばろう!と乾燥した野菜を与えたら、ケッ!ってな感じでまた秒で捨てられたわ。