貝のしあわせ。

コロナウイルス騒ぎでお出かけが出来ないが、山奥の河原に化石を取りに行こうかと思い立った。中学の時、先生の机の上に月のお下がり、と言われる巻貝の化石があった。先生の家の近くの河原にはいっぱい転がっているよ、と先生が教えてくれて、取りに行きたくて仕方がなかった。でも子供だったのでそこがどこなのか、どうやって行ったらいいのか分からなかった。

 

高校の時も理科室にいっぱい化石があって、それは先生が河原から採って来たものだと聞いた。河原に化石がゴロゴロ、想像するだけでワクワクして、大人になったらいつか河原に化石採集に行くぞ!と決めていた。

 

今化石採集は任天堂さんが集まれ動物の森の中でさせてくれるようだが、やっぱり本物の化石を取りにいく方が私的には楽しいのである。化石を採集と言っても私は何かのツアーとかに大人数で行くのは向いていない。集団行動が恐ろしく苦手な為、集団のストレスで全然楽しめないだろう。という事で、大人になって見つけた、化石の転がっている河原とやらを調べて、2箇所見つけたので、そのどちらかにフラフラ思い立ったら行く、というのが常である。

 

1箇所はよく見つかる。地層の年代が若い。そこかしこの土を掘れば貝の化石がボロボロ出てくる。もう1箇所はかなり地層が古い。こちらの方が化石採集ぽい気分を味わえる。なかなか見つからないが、河原に黒っぽい石が転がっていて、それが化石のある石の特徴なのだ。それを見つけてトンカチで割る。木とか植物の化石は5個に1個くらい、貝の化石は20個に1回くらい出ればいい方だが、でも綺麗な形で貝が見つかると、うっは〜!!って気持ちになる。

 

不思議だな〜。この貝が浅瀬でのんびり生きてた時から1億年経って、今私がその貝を拾っている。1億年後に誰かが私の化石を採ったど〜って喜んでいるのを想像すると何か、ありがと見つけてくれてって気持ちになるから、この貝も喜んでいるだろう。と勝手に解釈。それこそ知的生命体に化石として認知して拾って貰える化石なんて、僅かな数だろう。ラッキーすぎる。この貝はめちゃくちゃラッキーな貝。ラッキーシェル。

 

え?ちょっと待って?そんなラッキーな貝を拾ってしまった私ってとんでもないほど、ラッキーなんじゃない?私に拾われた事でラッキーになった貝と、拾った事で貝からラッキーを貰った私と、どちらも幸せになっている。なんて平和な世界。

 

いや〜そんな事より本当にここ誰も来ないな。女人が化石採集って時点で結構私も希少種なのかもしれない。