光り輝く腑抜け

海外ドラマにハマった妹から、ネット配信はええでぐふふ…的なオススメを受けて私も、魔法の火の棒をジャングルから購入してテレビに差したわけだ。そしてあらゆるものが見えるよになった。

 

あのアニメ、あの映画、あのドラマ何でも見えるではないか。父上は元々海外ドラマが好きなのでご満悦ではあるが、ボソリという。しかしこれは人間を腑抜けにするぞ。日がな1日テレビを見て過ごせてしまう。

 

なるほろ。では私が他国を侵略する時分には、まずはこの魔法の棒を先に送り込み、民を腑抜けにさせてから、侵略する事に致しましょうと言うと、父上が、そんな腑抜けの民ばかりの国を侵略しても何の繁栄も築けんぞ、とこれまた有難き助言をくれたので、とりあえず他国を侵略する夢は諦め、まずは率先して自ら腑抜けとやらになってみよう。

 

しかし最近は5月の爽やかな天気のいい日が多いでは無いか。梅雨になる前の1番良い観光シーズンをテレビにお守りをしてもらって過ごさなければならないとは…まあ、別に全然不便ではなくてむしろ快適なのは、恐らくやんごとなき母上から生まれいでた時より、光り輝くような腑抜けであったという事だな。