アリの行列と洪水

庭に出たら、アリの行列が沢山の蛹や卵を抱えて大移動をしている所に出くわした。表の庭から裏庭まで延々と移動している。この大雨で巣が水没の危機にあるのだろう、今の巣を捨て別の安全な場所へ移る事にしたらしい。

 

しかし不思議だ。アリの集団はどうやってその意志を決めているのだろう。やっべぇぞ、おい、可愛いベビー達が危ない!移動だ!えんやこら!って指揮を取ってるアリがいるのかなあ。ところでアリの行列を見ていると無性にそれを途切れさせたくなる、サイコパスな一面が私の中にムクムク生まれる。ホースを持ってきて水で行列を散開させたくなる。

 

しかしグッと堪える。こんなに必死にベビーを運んでいる集団にホースで水をぶっかけるとは、何と恐ろしい所業。我慢だ我慢。

 

だが、そう考えると私達もアリみたいなものだなあ。今ジョウロを持った無邪気な神様が、日本列島というお山に水を流し続けて、山が崩れたり溢れた水を観てキャッキャッと楽しんでいる。楽しいのでもう何日もずっとジョウロを離さない。そろそろジョウロを離して遊びに飽きて欲しいものだが。

 

そんな事を考えていたら、やっぱりアリの行列に水をぶっかける気持ちを抑える事ができたが、そもそもこのアリの行列を見て、水をぶっ掛けたくなる衝動が湧きおこらない人は、いるのか、というか沸き起こる人の方が珍しくて私がただ単にサイコパスな一面があるのか、どっちどっち、気になるわ。