恩を仇で返す机

大昔奮発して7万もする机を買ったのだが、20年近くするが一応まだ使っている。しかしこの机は、恐ろしい化け物だった。

 

なぜなら机の角で足を強打する事は何度もあるが、この机、生来の頑丈さから、こっちの足の指を折りにかかるのだ。ある日しこたまこの机に足の薬指を強打した。痛すぎて泣いた。痛みが1日続いたが、1日経つとだいぶ良くなったのでそのまま放置しておいたが、たまたま私の指を見た妹が、お姉ちゃん!!足の指曲がってるやん!それ絶対折れてるって!と言ったので、医者に言ったら案の定折れていた。

 

そうか。そういえば薬指がいやに小指の方に寄っていると思っていたが、よいしょ、と元の位置に戻せば戻るので何ともないと思っていたが、よいしょと元に戻さないと小指にもたれている指は折れてるって事か、と私はまたひとつ賢くなった。妹に、いや、すぐ気がつくやろ、と突っ込まれたが。

 

あれから何度も机の角に指を強打したが、その度にジンジン傷んだものだが、指が隣の指にもたれかかることも無く、無事に20年の時を強打しながら折り合いをつけて過ごしてきた。

 

しかし最近別の足の痛みで、足のレントゲンを撮ってもらうと、見事に足の親指が折れて、自然治癒した後があると医者に言われた。うむ。思い当たる事がありすぎる。あの机だ。7万で買ったあの机。いやに頑丈なあの机。7万出して引き取ってやったものを、恩を仇で返して、私の足の指という指をボッキボキに折りにかかってきた、あの机。折り合いをつけて過ごして来たと思っていたのだが、そう思っていたのは私だけで、私はあの机に一方的に足の指を折られていたのだ。

 

机と言うものは少なくともあちらの足とこちらの足がぶつかっても、机がその勢いで動くぐらいの優しい足をした机を買うべきである。そういえばあの机はこっちがぶつかってもビクともしずに、大地に根をおろした大樹のように泰然としていた。足の折れた私は反対に憮然とするがな。

 

という事で私の生活の動線から離れた使用していない部屋に移動しておいた。

 

さらば我が机。君のおかげで何度足が〜足が〜!!と叫んだ事か。バルスと叫んで粉々にせずにまだ家においてあげるだけでも感謝したまえ。ま、懲りずにぶつけまくる私も私だがな。