ドッグウオッチング

姉妹がアウトレットモールに行くと言うので、その場所が出来てからこの方一度も足を踏み入れていないしな、と思い一緒に付いて行くことにした。もとよりショッピングに興味はないので日陰になっている植木に腰掛けお犬様達を目の保養に眺めておる。ここはお犬様を連れている人が多い。姉はそこまで動物好きでも無いので、こんなところまで連れまわして本当に迷惑、と仰っている。

 

私はお犬様大好きなので今日はドッグウオッチングである。腰をどっしり据えて目の前を通り過ぎるお犬様達をいやらしいしつこい目つきでジットリ眺めている。

 

ダンドツ多いのはトイプードルである。柴犬も多く、たまに黒柴もいる。その他ヨークシャテリア、ウィペット、ワイマラナー、多種多様なお犬様達がいて大変よろしい。出来るなら触らせて欲しいが、聞くところによると狂犬病の接種率が年々減っているようなので、中にそのような無責任なカイヌシーも混じっているだろうし、そもそも他人のお犬様をいきなり触るのは失礼であろう。だからジットリ眺めているだけだ。

 

しかしな、私は本当は和犬の血が濃い雑種犬が大好物なのである。そういうお犬様を連れた人は皆無なのである。天皇陛下御一家のお犬様は雑種のようだがマジで私のツボを抑えている。人のコントロールが極力入っていない和犬の血に、プラス雑種となったらむかしむかしの犬の祖先達の野性味を感じられるではないか。

 

家畜となったこの身の上、厳しい自然では最早生きられぬが、野性味溢れるお犬様に憧れるくらいはいいだろう。人間なんて家畜化し過ぎて体毛ツルツルメンタルよわよわになってしまったぞ。この先氷河期来たらどうすんねん。

 

そういえば以前山で、綺麗な野性味残る雑種のお犬様を連れて、またそのお犬様が気品溢れるお顔立ちで、連れてるカイヌシーもサバっとした感じの綺麗なおねいさんで思わず声をかけてしまったのを思い出した。今考えればあの時もう少し山の話とかして仲良くなっておけばよかった。そしたらあの綺麗なお犬様とおねえさんと山一緒に登ることも出来たかもしれぬ。つくずく憎い我が引っ込み思案の性格が。

 

しかし今日は良い日だ。家に帰ったらバードウオッチングにも出かけよう。上手に鳴けるようになったウグイスに会いに行くのだ。