上とか下とか

友人がバーフェクトデイズ良かったでい、と言うのでそう言えば観ようと思っていたんだと思い出し早速観に行く。友人は無口な主人公が少し私に似ていると思ったけど、いや、親しい人にはめっちゃ喋るから似てないな、という結果になったようだ。

 

それで見始めて、無口かどうかは関係なく、おほほほ〜!と嬉しくなったのが主人公が木漏れ日とか空とか見てニコってしちまうところ。いや、そうなんよ!そうなるよね?やっぱり!つーか、私もずっと上ばかり、もしくは下ばっかり見ている。空とか木とか鳥とか虫とか見ていてニッコリしてしまう。本当はもっと地面と水平に目をやって人間と目を合わせ、社会に目を向けないといけないような気がしていたけど、この映画観てたら、いや、いんだわ私このままで、と思えたわ。水平の世界は良い事も楽しい事もいっぱいあるけど、たまに息苦しくなるじゃあないですか。そこからちょいと目線を上げ下げするだけであら不思議。なんて静かで穏やかな世界なんだ。

 

あと、これは私の思い出と結びついてる所もあって、映画終わった後に涙がだだ漏れてしまった。私も血の繋がらないオジサンがいて、その人はもう亡くなったのだけど、その人を思い出した。寡黙な人で働き者で、それで本をいつも読んでいた。老眼鏡かけて。

 

最期の入院中はコロナでお見舞い行っても会わせてもらえないのを無理やりお願いして、病室に通してもらって、意識が朦朧としているオジサンの手を握って、泣きながら耳元で、オジサンありがとう、って何度も呼びかけたら、精一杯の力で手をぎゅうって握り返してくれたのだ。

 

映画でも女の子がさ、オジサンに言うわけよ、おじさん、ありがとう。って。うわーん、こんなん泣けるやん。分かるよ。こんなええオジサンだもの。わちきのオジサンも清貧な人であったがな。

 

あと全然関係ないけど、私が観たいと思って観に行く映画はわりと客層的にオジサン多めのプラス家族連れって構成なんだけど、今日は断然60代以上のおば様達が多い。これはあれですかいね。役所広司を推しとしている人達ですかいね?いや、いいね。何歳になっても推しがいるのは。

 

私も来週には、「カラオケいこ」を観に行こう。推しの綾野剛が出ているから。