花火大会を見に行くも土砂降りの雨と雷に合い中止となる。会場からシャトルバス乗り場まで戻る最中に全身ずぶ濡れになる。シャトルバス乗り場は長蛇の列になっているのに10分待っても1台もまだバスが来ない。その頭上で激しく雷が轟く。気絶寸前である。恐怖で大人しく列に並んでいる事が出来ない。屋根も何も無いところなので、暴風雨に晒され雷に捧げられた供物のような気持ちである。
これは歩いて駐車場に戻った方が早い。という事で家族を連れて列から離脱、早歩きで駐車場を目指す。ただ単に雷が怖くてその場にジッとしていられなかったのだけど。あまりの暴風雨と雷に体力の無い娘氏をこれ以上歩かせる訳にも行くまい、と商店街の屋根のある所で、家族を残し、良いか、この場でまっているのだぞ、我は車を取ってくる。と言い残し雷の中ひた走る。
雷への恐怖で興奮してきて雨の中走るのも楽しくいつの間にかハイテンションでうはうは走っている。そういえば私は台風の暴風の中、外で散歩するのが好きであるし、どうも一定の恐怖を超えると楽しくなるバグが発生しやすいタイプの人間かもしれぬ。1番自然災害で死にやすいタイプであるので、きっと群れの中で率先してアホな行動を取り命を落とす事で、あのようなバカな行動をしないように、というお手本の為に発生する、バグ要員なのかもしれぬ。いや、違う。きっと誰しもそうなのだ。うちらはもれなく、海でずっと泳いでいれば良かったところ、陸行っちゃいますか、って上陸を試みた生き物の末裔である。遺伝子の中に恐怖を超えて前に進む、というプログラムが組み込まれているのだ。だから雨の中ひゃっほ〜って走るのは至極当然の行動であるな。うん。
結局時間を費やして会場で屋台のポテトや焼きそばを買い、ずぶ濡れになって帰ってくる謎ミッションを完遂しただけだったが、息子氏がまあこれはこれで良い、お祭りの味がするし、とずぶ濡れになりながら焼きそばを食べて言っていたので、まあ良いのであろう。