ドミネーター

会社の部のフロアの入口に自動体温測定器が置かれた。しかし感知能力が高すぎて、少し前を通っただけで、正常だ異常だと喋る。風が吹いても測る勢いなので、人がそっと前を通っても親の仇を見つけたように覚醒して、人の表面温度を測っている。

 

おまけにアニメのサイコパスに出てくる、ドミネーターっていう人の異常性を計る銃?みたいなのの声にそっくりなので、そのうち異常な体温だったら撃ち殺されるんじゃないかという妄想をかき立てられる。豚コレラ鳥インフルエンザで何万頭と処分される家畜がいるように、いつ人間同士でも自分以外の人間を家畜扱いする輩が出てくるとも限らない。そんな輩によって、感染したらさっくり処分、てなAIが生み出されたら何かターミネーターの世界みたいだな。

 

そういうことでドミネーター兼その内ターミネーターになりそうな、あやつの前を通らないよう大きく迂回して歩くようになってしまった。犯罪係数うんたらかんたら、執行対象です。リーサルなんとか、うえぽんなんとか、って言われて撃たれる日も近いぜよ。退屈な社畜生活も、ちょっとしたアホな妄想で日々を凌ぐのも楽しいものよ。まあ、ドミネーター持って執行したいヤツはゴマンといるから、私がドミネーター持たないでいるのを感謝して欲しいが。

 

そういえばこの前山の中でサワガニが歩いていた。ドミネーターみたいな大きな片方のハサミをカッと私の方に向けて、それ以上触ったら執行するから!てな感じで威張っていて可愛かった。人に踏まれないようにそっと木の根元に隠しておいてあげた。無事に冬を越えてまたカニドミネーター振り回してくれよ。

 


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