先祖を想って

コロナウイルス対策で色々タッチレスや人との接触を避けるサービスが進化してきた。それを見ていたら近い将来、人はAI搭載のロボットをアバターとして働くようになるのではないかとふと思った。車や家を持つの夢と同様、アバターを所有する事自体がステイタスになる日が来るのかも。そしてやがてそのステイタスも誰もがアバターを手に入れられる時代が来て、やがてほとんど生身の人に会うことがなくなるのかもしれない。

 

そしてそれは今抱えているいわゆる全ての差別の終焉を意味している。性差も人種差別も障害の有無も身分の差も全てなくなる。アバターになったら外見はどうとでも性もどうとでも、変えられる。能力などAIだから変わりがなくなる。

 

そうするとやがて老いる生身の体は必要なくなって、生まれてすぐに脳のみAI搭載のアバターに移植して、メンテナンスするのみで半永久的に生きるようになる。そして人間は自由繁殖から計画的に製造されるようになって、でも体はすぐポイなので、生身の人間自体がすごく貴重なものになるかもしれない。

 

永く伸びた寿命で宇宙を旅し開拓し、やがて太陽系を飛び出して銀河の各地にかつて人類だったものたちが繁栄する。生身の人間の体を味わった事のないアバター達は、生身の人間というものにノスタルジーを感じる時代がくるかもしれない。かつて短い生でもちゃんと自分という入れ物の中で一生懸命生きていた、自分達の先祖を想って懐かしくも涙してくれる日が来るかもしれない。

 

そうやって思うとこの体はポンコツ脳を搭載しているといえど、愛しいものだ、とどんだけ妄想捗った上に、自分の妄想で涙流しける、おアホかな、と。