春風に頭のお花が咲いた

昨晩急に思い立ち、ずっと登りたかった山に登る事にした。それというのも昨日は裏山を散歩していたら、春のお花が綺麗に咲いていて、きっと目的の山も鳥のさえずりや春のお花が芽吹いているだろうと思ったのだ。

 

冷静に今考えて、目的の山は裏山より標高は8倍高く、方向は北東に車を90分も走らせなければいけない場所なのに、どうしてそこまで春が来ていると思ったのであろう。春の花を見て嬉しくなり、自分の頭の中のお花が一緒に咲いてしまったようだ。

 

それで今日はルンルンと快調に車を飛ばし、細い山道をギュルギュル登ってたどり着いた登山口から鼻歌混じりで歩いていたのだが、どんどん雪が多くなる。山肌は遠目には雪も無さそうだったのに、地面には以外に雪があるのだな、と呑気に思っていた。いよいよ山道が本格的になった瞬間、びっくり。

 

雪が完全に登山道を覆い隠し、50cmくらい積もった雪がカチンコチンとしている。しかし、足跡はついてる。こんな雪でも登れるのか、と妙に感心し、それなら私も登りましょ、と登ったのだ。

 

しかしツルツル滑るし、足は濡れるし、道は狭いし(というか雪で見えない)、ついてる足跡だけを頼りに登ったのだ。中ほどまで来た時下りてくる人とすれ違い挨拶をした。そしてその時私はある事実に思い当たった。その人は登山靴にトゲトゲの何かを付けているし、トレッキングポールも何か下のほうに丸い傘みたいのを付けている。

 

嫌な汗をかく。あれ?もしかして私完全に備無しで憂いあり人物じゃね?いやいやいやい、たまたまだなきっと。と気を取り直しセッセッと登る。雪が固いのが幸いしてズボズボ思ったほど足を取られないのはありがたいが、滑りやすいので慎重に慎重に進んだ為、結局コースタイムより20分程遅くついた。

 

頂上にくと景色は絶景。いつも遠くに雪を抱いて鎮座しております山が、今回登った山からは目と鼻の先の距離なのか、でーん!とデカく美しくしておられるではないか。神々しい。自然と手を合わせたくなる。そんな気持ちをかき消すかのように、パラパラと登って来る人が増えて5人くらいになったであろうか。私は完全に理解した。私が雑誌でしか目にした事のない、冬山装備を皆さんがしている事を。そして、私はしていない事を。

 

は、恥ずかしいー!!つーか!命知らずのアホが、って皆さん思ってますよね?!大丈夫!私が今1番思ってます!そりゃ滑るしいつもよりスリルあるな、って鈍いながらに思ったくらいは危険を感じました!はい!

 

そっかー、そうだよねー。うん!雪山は怖いから絶対登らないと決めていたんだけど、私の中で雪山=12月から2月までの1000メートル以上の山、という強い思い込みがあって、頂上つくまで、気が付きませんでした。はい。これが冬山に該当することを。

 

そうとなっては、アホは風のように退散するしかあるまい。すたこらサッサっと頂上を後にし一目散で下山する。人気の山だから駐車場を取られまいと朝早くに出発したが、そんな心配はいらなかった。あえて雪山を登りたい人しか登っていなかったのだ。

 

今回は本当に反省した。お花が頭に咲き過ぎた。来週は別の山を登ろうと思っていたけど、そこもよくよく考えると北の方の山。逆に今より雪が融けてぬかるんで危な汚い目に会うかもしれぬ。

 

山に春が来るのは平野部と私の頭より、随分と随分と思ったより随分と遅いことを肝に命じておこう。