奥穂高岳に1日で登り2日目は下山のみ、という計画を立てたので、それまでに体力を作らなければならない。なんと行っても体力が奪われるのは暑さである。だからこの時期わざと低山を散歩したり登山したりする。夏の低山の不快指数は200%、それを滝汗をかきながら登る事を繰り返していると身体が夏の暑さに慣れてくる。
それで昨日も裏山をふんふん散歩していたら、3年連続蜂の巣取りのおじい様方に出会った。必ずこの時期に3人ほどでこの山にやってくるのだ。細い竹の先にイカをつけたものを何本も手にしている。あれを等間隔で山道にぶっ刺しやってくる蜂を待つのだ。蜂とりですか?と聞くと、そうや。でも肝心の蜂がいない、と言う。私が通る前に1回おびき寄せをしたのに来ないのであろう。だから場所替えをしているようだ。
他にも(山の中に)人いるか?と聞いてくるので、今日は山の中私以外誰もいないと思います、と言っておいた。こんな雨上がりのくっっっそ暑く虫も多い蒸し蒸しした里山を誰も好き好んで散歩などせぬであろう。そんな物好きは私くらいだ。
初めてこのおじい様達に出会った時は何をしているのか全く分からなかったが、蜂をエサでおびき寄せ、寄ってきたら目印をつけ、目印をつけた蜂を追いかけ、巣を見つけ、見つけた巣を持ち帰り、秋まで育てて巣の大きさを競い、蜂の子料理にして食べる、という事を教えてもらった。
ヘボ料理というものが、隣県と我が県の一部の地域で行われているのは知ってはいたが、私はそれはキイロスズメバチが対象かと思っていたが、クロスズメバチだったようだ。黒い小さなハエを細くしたようなスズメバチのようだ。
おじい様達について行って、蜂の巣をゲットするまで一連の事を見させてもらいたかったが、怪しいヤツ過ぎるのでグッと堪えて帰ってきた。あと地味に水筒の水が切れてしまった。夏の低山の水切れは命の危険さえある。すぐに家に帰るしかなかったのだ。来年もまた来るだろうから来年こそは見せてもらおう。その時はよろしくです、千ちゃん寅次郎さん、ノブちゃん。外見からテキトーにお爺様達の名前を付けて脳内で話しかけておいた。
夜は娘がカラオケ行きたい、というのでカラオケに行く。すると流れてきた映像で山の中に白いワンピースをきた女人が物憂げに立ってるシーンが流れてくる。
私の中のお山警察が笛を鳴らす。はいはいはい!!あ、り、え、ま、せん!!!夏山でこの格好したらダニ、蚊、ブヨ、刺されまくり!下手したらマムシがガブリエル!こんな格好で森林に入るやつは頭がおかしい!長そで長ズボンっっ!!今日の蜂取りのおじい様達を見習えっっ!!てなっちまった。
マイクを持って叫ぶそんな私を娘はガン無視して曲を選んでおったがな。
山に入る時はファッションなどというものはいったん桃にでも入れて川に流して、肌を守る服装で入りましょう。山警察の独り言オワリ。