クワガタとの差

裏山散歩をしていたら、クワガタがいっぱいいた。子供の頃父上と夜電灯の下などに採りに行ったワクワク感とか思い出して、今でもクワガタを見るとテンションが上がる。大きいコクワガタと小さいコクワガタを1匹ずつ捕まえて、ひと夏で命が消えるノコギリクワガタは可哀想なので、捕まえずにそっとしておいた。あとフツーに交尾していたのに、邪魔してごめん。

 

コクワガタは大体2年は生きてくれるので、大事にしよう。子供の頃はクワガタにあげるのはキュウリとか果物の残りみたいなものだったけど、今は昆虫ゼリーというものがあるので育てるのも楽でよい。

 

それで最近は毎日クワガタのいる木を観察しにいくのだが、ノコギリクワガタの死骸がめちゃくちゃ多い。恐らく鳥のエサになっているのだ。鳥にとってはクワガタは人間でいうかしら付きのエビを食べるようなものか、頭だけ綺麗に残してある。ノコギリクワガタとカブトムシの生首がゴロゴロ転がっている。その中にはコクワガタはない。小さいからすぐに木のウロに逃げ込めるし、何よりコクワガタは夕方以降にしか顔を出さない印象がある。

 

嬉々としてクワガタを観察していると、最近部屋に出没したゴキブリをゴキジェットで退治しまくった事を思い出す。基本的なパーツは変わらないのに、色とコーティングと装飾性が変わるだけで、かたや子供から大人まで人気もののクワガタ、それに対して名だたるメーカーがわざわざ専用の滅しアイテムを売り出すほど嫌われているゴキブリと、こうも差がつくものであろうか。

 

考えれば考えるほどその差がどこからやってくるのかよく分からなくなる。何故ゴキブリは気持ち悪く感じるのか。それは刷り込まれた物なのか、基本性能で人間にはゴキブリを嫌う性能が備わっているのか。でも中にはゴキブリを可愛がっている人もいるから、基本性能でも無いような気がする。

 

そうすると知らず知らず刷り込まれいる価値観があるんだろうな。世の中そういうもので溢れてるよなあ。

 

まあ、でもゴキブリもあの速さをもう少し遅くしてくれたら、こちらもぎゃー!!と反射的にゴキジェットを構える姿勢も正せると思うんだわ。そっと逃がすとかさ。あと単純にゴキブリは不法侵入が甚だしい昆虫だからさ、そっとクヌギの木で生息してくれているクワガタとは厚かましさが違うわ。

 

そんな事を考えながらゴキブリを滅する正当性を自分に言い聞かせる今日この頃。